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豊田総合法律事務所

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自由財産の拡張

 前回、破産手続における自由財産のうち、本来的自由財産についてお話ししました。今回は、裁判所が自由財産として拡張した財産すなわち、自由財産の拡張について説明します。

 本来的自由財産に当たらなかった財産であったとしても、裁判所の決定より自由財産と認められる場合があります。これを自由財産の拡張といいます。この拡張された財産も、破産者が自由に管理処分することができます。

 自由財産の拡張基準は、各裁判所によって異なりますが、多くの裁判所で①その財産が破産者の経済的再生のために必要か、②財産の総額が自由財産として許される範囲内か、という2つの基準で判断しています。

 まず、その財産が破産者の経済的再生のために必要か(①)、という基準については、その財産が㋐預貯金、㋑保険解約返戻金㋒自動車㋓敷金・保証金返還請求権㋔退職金㋕電話加入権に該当すれば、原則的に破産者の経済的再生のために必要な財産と判断がされます。それ以外の財産(不動産、株式など)に関しては、破産者の経済的再生にとって必要かつ相当であるかを個別に判断されます。

 つぎに、財産の総額が自由財産として許される範囲内か(②)、という基準については、手持ち現金との合計金額が99万円以下であれば原則的に拡張相当と判断されています。反対に、99万円を超える場合に関しては、原則拡張不相当となります。ただし、破産者の生活状況に照らして、99万円超過部分の財産が破産者の経済的再生に必要不可欠であるという特段の事情が認められる場合には、例外的に自由財産として拡張相当となります。

 自由財産の拡張が認められるか否かは、破産者される方にとって極めて重要な問題です。ただ、その判断は財産の種類・価値、破産者の置かれている状況によって大きく異なりますので容易ではありません。自分の財産状況において自由財産の拡張がどの程度認められるか迷った方はお気軽に弊所にお問い合わせてください。